ワニ(鰐)(読み)ワニ

百科事典マイペディア 「ワニ(鰐)」の意味・わかりやすい解説

ワニ(鰐)【ワニ】

爬虫(はちゅう)綱ワニ目の総称現生種は23種ほど知られ,世界の熱帯,亜熱帯淡水および入江付近に分布する。体はかたい鱗板でおおわれ,大きな頭部には顎が発達して,槽生(そうせい)の大きな鋭い歯が並ぶ。外鼻孔は吻(ふん)端に開き,鼻孔,眼,耳のみが水面上に出るよう,水中生活への適応がみられる。外鼻孔は弁を備え水中では閉じられる。眼には瞬膜がある。総排出腔は体軸に平行陰茎は1本で膀胱(ぼうこう)を欠く。心臓はほぼ完全な2心房2心室,肺も他の爬虫類に比べ進化している。卵生。三畳紀末期から化石が知られ,中生代末には現生の全種を含むワニ科が現れた。現生種の分類には諸説あるが,アリゲーター科とクロコダイル科の2科に分けられることが多い。日本には自然分布をしない。皮革製品は高価で珍重され,狩猟の対象として乱獲が続けられた結果,各種とも激減し保護下にある。→ナイルワニ
→関連項目爬虫類

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

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