精選版 日本国語大辞典 「ワークブック」の意味・読み・例文・類語
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児童・生徒の自学自習のためにつくられた学習帳、練習帳のこと。教育において、子供の自主的活動を重んじる思潮を背景にして、20世紀初めころからアメリカで使われ始め、日本では第二次世界大戦後、アメリカの教育思潮、方法の移入に伴って、使用され始めた。本来は、教科書や授業と密接な関連をもち、学校で学習した事項の要点をまとめたり、確認、定着をねらう問題、また、関連する資料や発展的課題などを提示したりするものであった。しかしその後、単なる練習問題集やテストブックなども、ワークブックの一種と考えられるようになり、学校現場においてはワークブックという用語にかわってドリル、問題集などの用語が多く用いられるようになった。1990年代後半以降、学力低下が指摘されるとともにドリルや問題集が多く活用される傾向にある。それらは基礎学力の面から必要性はあるけれども、子供の自主性を重んじるというワークブック本来の趣旨にも留意したい。
[中原忠男]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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