一上(読み)いちあがり

精選版 日本国語大辞典 「一上」の意味・読み・例文・類語

いち‐あがり【一上】

〘名〙 三味線調弦法の名称。一の糸を本調子より一音すなわち二律高めた調子。例は少なく、長唄軍艦」「伏猫」に使われているだけである。一上り調子。
浄瑠璃蘆屋道満大内鑑(1734)三「おゆるしが出たはやりうた一(いチ)あがり諷ぞや」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の一上の言及

【上卿】より

…また参議も上卿になる例があるが,小行事(たとえば国忌,大祓,梅宮祭,吉田祭)にかぎられる。元日,白馬(あおうま)などの節会や祈年穀奉幣は一上(いちのかみ)(主として左大臣)が内弁となって行事を主宰し,仁王会,大嘗会は大納言が検校となって行い,ともに上卿とはいわない。上卿が政務の場で天皇の裁可を経て下す文書を奉勅宣,上卿が独断できめる文書を上宣という。…

【左大臣・右大臣】より

…初めは阿倍,蘇我,大伴らの旧豪族が任じられたが,奈良時代後期には藤原氏が事実上独占した。平安時代に摂関政治が始まると,左・右大臣は朝廷の政務行事の運営責任者となり,左大臣は一上(いちのしよう∥いちのかみ)と呼ばれた。鎌倉時代以降,政権が武家に移るとその地位はいっそう栄誉化し,明治維新後一時実権的地位に復したが,1885年太政官制の廃止とともに廃官された。…

※「一上」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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