一倍（読み）イチバイ

デジタル大辞泉

いち‐ばい【一倍】

１ ある数量に1を掛けること。また、1を掛けた数量。同じ数量。「一倍半」
２ ある数を二つ合わせること。2倍。
３ 他よりも数量・程度が大きいこと。副詞的にも用いる。いっそう。「一倍深刻に考えるたちだ」「人一倍努力する」

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

いち‐ばい【一倍】

〘名〙

① (二倍の古い言い方) ある数量にそれと同じだけのものを加えること。また、その結果の数量。ばい。いちへ。

※三代格‐五・養老五年（721）六月一〇日・太政官謹奏「不_レ可_レ同等。冝_三更加_二祿一倍_一」

※幸若・大臣（室町末‐近世初）「惣じてふなかずは八万艘〈略〉一ばいましてぞむかはれける」 〔越絶書‐越絶計倪内経〕

② (副詞的にも用いる) 他と比較して数量、程度が大きいこと。いっそう。ひとしお。

※蕉堅藁（1403）新秋書懐「辺雁初声夕露繁、客心一倍感_二徂年_一」

※浄瑠璃・女殺油地獄（1721）下「不便(ふびん)さ可愛さは父親の一ばいなれども」 〔李端‐宿淮浦寄司空曙〕

③ 数学で、ある数に一をかけること。また、その数。かける前の数と同じになる。

いち‐へ【一倍】

〘名〙 (「いちべ」とも) ＝いちばい（一倍）

※関戸本三宝絵（984）中「一年よをへてかれるぜにいちへしぬ」

出典　精選版 日本国語大辞典