一国一城(読み)イッコクイチジョウ

デジタル大辞泉 「一国一城」の意味・読み・例文・類語

いっこく‐いちじょう〔‐イチジヤウ〕【一国一城】

一つの国と一つの城。また、それを領有すること。
一つの国に城を一つだけ置くこと。元和元年(1615)江戸幕府諸大名軍事力を抑えるため、領内で居城以外の城を破却させた「一国一城令」による。

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精選版 日本国語大辞典 「一国一城」の意味・読み・例文・類語

いっこく‐いちじょう ‥イチジャウ【一国一城】

〘名〙
① 一つの国または一つの城。それを領有すること。また、その大名
※別所長治記(1580‐92頃)「今度の御合戦は一国一城の小せり合とは各別也」
② (江戸幕府が、元和元年(一六一五)六月の一国一城令によって、諸侯の居城以外の城を破却させたところから) 一つの領国に城が一つだけあること。また、幕府直轄地に対して大名統治の城下町をもいう。
浮世草子・好色盛衰記(1688)一「一国一城(いっコクいちジャウ)町人ならば」

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四字熟語を知る辞典 「一国一城」の解説

一国一城

一つの国または一つの城。それを領有すること。また、その大名。

[活用] ―のあるじ

[使用例] 戦乱破壊のあとのドサクサには、いつの世も浮浪児集団強盗がハバをきかせるもので、やがて一国一城のボスとなり、三十年もたって孫子の代になると、大名、貴族名門などと言われて[坂口安吾*現代忍術伝|1950]

[使用例] これらの言葉は、一国一城のあてがい状を貰ったより、宗二にはうれしい[野上弥生子秀吉利休|1962]

[解説] 「一国一城の主」の形で、他からの援助干渉を受けずに、独立している者の意を表します。

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