一寸・鳥渡(読み)ちょっと

精選版 日本国語大辞典 「一寸・鳥渡」の意味・読み・例文・類語

ちょっ‐と【一寸・鳥渡】

[1] 〘副〙 (副詞「ちっと」の変化したもの)
① 時間、物事の量や程度がわずかであるさまを表わす語。大げさでなく行なうという気持をこめていう。ちっと。すこし。
史記抄(1477)一二「曷鼻は、鼻のさきがちょっとあかりてかかうたぞ」
② (打消のことばを伴って) 事態や判断が簡単には成立しがたいことを表わす語。簡単には(…ない)、手軽には(…できない)。
※談義本・世間万病回春(1771)四「便侫(べんねい)といふ物のおそろしき事は邪智(じゃち)弁才たくましき物なれば中中ちょっとはしれぬもの也」
③ 差し障りのあること、具合の悪いことを曖昧にぼかして表わす語。「私はお酒はちょっと…」「『今夜どう』『今夜はちょっと…』」
[2] 〘感動〙 ((一)①の「ちょっと…」の陳述部分が略された用法から) 軽く相手に呼びかけるときのことばとして用いる。ちょいと。「ちょっと、君」

ちょ‐と【一寸・鳥渡】

〘副〙 (「ちと」の変化したもの) =ちと(些)
※俳諧・物種集(1678)「武蔵野にちょと出したる月の影 露もたまらずきられ人形西国〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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