一層(読み)いっそう

精選版 日本国語大辞典 「一層」の意味・読み・例文・類語

いっ‐そう【一層】

[1] 〘名〙 重なり合ったものの一重ね。一段。ひとかさね。〔書言字考節用集(1717)〕〔王之渙‐登鸛雀楼詩〕
[2] 〘形動〙 程度がさらに一段進むさま。一段。
読本椿説弓張月(1807‐11)残「ここに為朝は、一層の疑念をまして、思ひ定めかね給へば」
[3] 〘副〙
① ひとしお。ひときわ。
小説神髄(1885‐86)〈坪内逍遙〉上「人智いま一層(イッソウ)進むに至れば」

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デジタル大辞泉 「一層」の意味・読み・例文・類語

いっ‐そう【一層】

[名]
ひとかさね。
数層の建物のいちばん下。
[副]
程度がいちだんと進むさま。ひときわ。ますます。「寒さが一層厳しくなる」「末っ子をより一層かわいがる」
むしろ。かえって。いっそのこと。
「何を見てもつまらなく、―消えてしまいたい」〈横光・火の点いた煙草
[類語]更にもっとますますいよいよよりも少しもう少しずっと余計なおなおさら一段と弥が上にあと未だ然ももう今一つもう一ついまいち今少しもそっとぐっとぐんとましていわんや余計数段段違い層一層しのぐうんとだいぶ余程遥かひとしおうたた尚尚なおなおなお以て更なるひときわいや増すなお且つかてて加えてそれどころそればかりかしかのみならずのみならず加うるにおまけにまた且つまた且つこの上その上しかもさてはさなきだに

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