一括遺物(読み)いっかついぶつ

山川 日本史小辞典 改訂新版 「一括遺物」の解説

一括遺物
いっかついぶつ

一つの遺構から一緒に発見された,同時代の(同時に埋められた,あるいは埋まった)遺物をいう。神戸市桜ケ丘出土の14個の銅鐸(どうたく)と7本の銅戈(どうか)や,福岡県飯塚市立岩10号甕棺(かめかん)出土の6面の鏡と1本銅矛(どうほこ)などはその典型。編年研究や地域間の文化交流状況を知るのに有用。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の一括遺物の言及

【遺物】より

…遺物として残存したものの有無あるいは量的な差異をとりあげ,過去の社会におけるその種の製品の有無あるいは量的差異に単純に結びつけるのには慎重であらねばならない。
[一括遺物]
 金属製の遺物はもちろん,一般に遺物はその出土遺跡と出土状況の判明することがきわめて重要である。工事中などに偶然発見され,埋没状況の判明しなかった遺物とくらべて,研究者による発掘調査によって検出された遺物のもたらす情報量ははるかに大きい。…

※「一括遺物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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