一朝一夕(読み)いっちょういっせき

精選版 日本国語大辞典 「一朝一夕」の意味・読み・例文・類語

いっちょう‐いっせき イッテウ‥【一朝一夕】

〘名〙 (「一日一晩か」の意から) 期間が短くて速いこと。わずかの時間。ほんの少しの間。多く打消を伴う表現となる。
太平記(14C後)一「啻(ただ)禍、一朝一夕の故に匪(あら)ず」
※雁(1911‐13)〈森鴎外〉一五「なかなか一朝一夕(イッテウイッセキ)解決の出来ぬ難問題を提出する」 〔易経‐坤卦〕

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デジタル大辞泉 「一朝一夕」の意味・読み・例文・類語

いっちょう‐いっせき〔イツテウ‐〕【一朝一夕】

《一日か一晩か、の意から》わずかな期間。短い時日。「これほどの大事業は一朝一夕には成就しない」
[類語]一夜一朝短時間一時いっとき一時いちじ一時ひととき一頻ひとしき短日月短時日短いしばらしば暫時少時束の間時の間瞬く間見る間に刹那咄嗟とっさ半時寸陰一時的かりそめ寸刻寸時寸秒片時かたとき瞬時瞬間一瞬数刻たまゆら須臾しゅゆ電光石火はかないあっと言う間間髪をれず

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四字熟語を知る辞典 「一朝一夕」の解説

一朝一夕

期間が短くて速いこと。わずかの時間。ほんの少しの間。

[活用] ―に。

[使用例] なかなか一朝一夕に解決の出来ぬ難問題を提出する[森鷗外*雁|1911~13]

[使用例] 旧刑訴時代に教育を受け、実務の経験がある人間の心性の改造は、一朝一夕に出来ることではない[大岡昇平事件|1977]

[解説] 「一朝」は一日、「一夕」は一夜で、一日や一晩という意味。多く打消を伴う表現となり、事柄が簡単・単純ではない意味に用います。

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