一本隈(読み)イッポングマ

デジタル大辞泉 「一本隈」の意味・読み・例文・類語

いっぽん‐ぐま【一本×隈】

歌舞伎隈取りの一。鼻の脇から目の下を通りこめかみにかけて紅で描いた隈。2世市川団十郎が工夫したもので、「国性爺合戦」の和藤内など荒事立役に用いる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「一本隈」の意味・読み・例文・類語

いっぽん‐ぐま【一本隈】

〘名〙 俳優の顔の隈(くま)取りの一種。荒事(あらごと)立役の紅隈(あかぐま)で、「国性爺合戦(こくせんやかっせん)」の和藤内(わとうない)などに用いられる。いっぽん。
※歌舞妓年代記(1811‐15)四「一本隈(イッポングマ)とて眼のふちより頬一っぱいに紅の隈取にして」

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世界大百科事典(旧版)内の一本隈の言及

【隈取】より

…〈筋隈〉は《車引》の梅王,《暫(しばらく)》の鎌倉権五郎,《矢の根》の五郎など。〈一本隈〉は《千里ヶ竹》《獅子ヶ城》の和藤内,《暫》の腹出しなどが用いる。その変形の〈二本隈〉があり,これは眉上にさらに〈芝翫(しかん)筋〉と称する紅の筋が加わる。…

※「一本隈」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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