一様(読み)いちよう

精選版 日本国語大辞典 「一様」の意味・読み・例文・類語

いち‐よう ‥ヤウ【一様】

〘名〙 (形動)
① 二つ以上の物事のさまが同じであること。そろっているさま。同様。⇔多様
※宝覚真空禅師録(1346)乾・豊州蒋山興聖万寿禅寺語録「薫風吹雨湿山房、洗出薔薇一様妝」
太平記(14C後)六「其の次に逞(たくま)しき馬に厚総(あつぶさ)懸けて、一様の鎧着たる兵(つはもの)八百余騎」 〔王建‐宮詞
② 常に同一有様であること。また、そのさま。一つの種類。ひととおり。
※土井本周易抄(1477)一「心で云事あり、字の心で云事あり、一様にはないぞ」
③ 他と異なる一種のおもむきがあること。ひとくせあること。また、そのさま。一風
※義経記(室町中か)二「人には一やう変りて出立ちけり」
世間にざらにあること。ありふれているさま。
※内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙〉五「なみなみ一様(イチヤウ)の種類とは見えず」 〔杜秉‐寒夜詩〕

ひとつ‐さま【一様】

〘名〙
① いつも同じ様子調子であること。一律。いちよう。
源氏(1001‐14頃)若菜上「ひとつさまに世の中をおぼしの給はぬ御本性なれば」
② 他と同じ様子・形であること。
※南海寄帰内法伝平安後期点(1050頃)二「両の指をもて結むて同心(ヒトツサマ)に作(な)せ」

ひと‐よう ‥ヤウ【一様】

〘名〙
① (形動) 同じようなさま。互いに似通っているさま。いちよう。
※源氏(1001‐14頃)蛍「女しき所なかめるぞひとやうなめる」
② ひとつの意味。ひとつの事情。また、ひとつのやり方。
※玉塵抄(1563)三一「趙のまいのやうはなにとあるやら一やうあらうぞ」

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デジタル大辞泉 「一様」の意味・読み・例文・類語

いち‐よう〔‐ヤウ〕【一様】

[名・形動]
全部同じようすであること。また、そのさま。同様。「皆一様に神妙にしている」
世間によくあること。ありふれていること。また、そのさま。普通。「尋常一様行動とは思えない」
[類語](1均一均質画一画一的一色等質同質一律無差別千篇一律等しい同じ同一等価同等均等等し並みイコール互角五分ごぶ/(2一方ひとかた尋常尋常一様ひと通りありきたり普通一般一般的通常平常標準標準的平均的通例正常当たり前並大抵ノーマルスタンダードレギュラー

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普及版 字通 「一様」の読み・字形・画数・意味

【一様】いちよう(やう)

同じさま。また一様式。〔滄浪詩話詩評〕五言句は、衆人是れ一樣、少陵(杜甫)是れ一樣、之()是れ一樣、王(安石)是れ一樣、本是れ一樣なり。

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