一死(読み)いっし

精選版 日本国語大辞典 「一死」の意味・読み・例文・類語

いっ‐し【一死】

〘名〙
① 一度死ぬこと。死ぬことを強めていう。
正法眼蔵(1231‐53)発無上心「彼一念は一草一木と同じかるべし。一生一死なるがゆゑに」
※二人比丘尼色懺悔(1889)〈尾崎紅葉自害「一死(イッシ)覚悟は極めながら」 〔漢書‐司馬遷伝〕
囲碁で石が死ぬこと。
菅家文草(900頃)一・観王度囲碁献呈人「一死一生争道頻、手談厭却口談人」
野球で、アウトの数がひとつのこと。ワンアウト
※体育辞典(1928)〈木下東作・寺岡英吉〉「ノー・アウト又は一死の場合に打者がバント・ヒットによって走塁者を次塁に送り」

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デジタル大辞泉 「一死」の意味・読み・例文・類語

いっ‐し【一死】

一度死ぬこと。一命を捨てること。「」を強めた言い方。
「―と覚悟は極めながら」〈紅葉・自害〉
野球で、攻撃側のアウトの数が一つであること。ワンアウト。ワンダウン。「一死満塁」

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普及版 字通 「一死」の読み・字形・画数・意味

【一死】いつし

死ぬ。〔史記伝論賛〕(てき)、乃ち大いに其の門にして曰く、一死一生、乃ちを知り、一一富、乃ち態を知り、一貴一賤、乃ち見(あら)はると。

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