一点(読み)いってん

精選版 日本国語大辞典 「一点」の意味・読み・例文・類語

いっ‐てん【一点】

〘名〙
① ただ一つの点。また、一つの点状のもの。転じて、ごくわずかなこと。
※菅家文草(900頃)一・残燈風韻「一点残燈五夜通、分分落涙寸心中」 〔白居易‐後宮詞〕
② ひとしずく。一滴。
漏刻(ろうこく)(=水時計)で一とき(今の約二時間)を四等分した最初のくぎり。
※宇津保(970‐999頃)国譲下「辰の一てんばかりに、すざく院に、かんだちめ・みこたちひきゐてまゐり給ぬ」
④ 仏語。阿字の不生を表わす空点。→阿字(あじ)
※性霊集‐一(835頃)遊山慕仙詩「万象含一点、六塵閲縑緗
漢字の横に引く棒の一画。
太平記(14C後)一八「竪の三点に横の一点を加へては山と云字也」
浄瑠璃伽羅先代萩(1785)三「留てもいっかな一てん老人貝田が抜打後げさ」
品物一つ。「この商品は残り一点となりました」
⑧ 一に当たる評点や得点。「一点の差が合否を分ける」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「一点」の意味・読み・例文・類語

いっ‐てん【一点】

一つの点。一つの場所。「平面上の一点」「壁の一点を見つめる」
わずかなこと。ほんの少し。「一点のかげりもない」
競技ゲームの一得点。
作品や品物の一つ。「佳作一点
昔、漏刻ろうこく(水時計)で、一時いっとき(今の2時間)を四等分したその最初の時刻

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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