一貫(読み)いっかん

精選版 日本国語大辞典 「一貫」の意味・読み・例文・類語

いっ‐かん ‥クヮン【一貫】

[1] 〘名〙
① (銭を一つなぎにしたものの意から) 銭一千文のこと。ただし、近世では九六〇文。また、明治以降一〇銭のことを俗にいう。〔天正本節用集(1590)〕
※俳諧・曠野(1689)員外「代まいりただやすやすと請おひて〈荷兮〉 銭一貫に鰹一節〈野水〉」 〔漢書‐武帝紀李斐注〕
② 銭を数える単位で、千のこと。
※仮名草子・竹斎(1621‐23)下「背中の辺七八百、一くんばかりどづけども」
重量の単位で、一千匁のこと。三・七五キログラム。
④ にぎりずし二個。
⑤ (━する) 始めから終わりまで同一の主義や方法で貫き通すこと。また、ひとつながりであること。等しいこと。
※鹿苑日録‐長享元年(1487)八月一二日「秋庭一貫見還。又送之。寺僧皆喜」
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉九「彼の精神が朦朧として不得要領底に一貫して居る如く」 〔荘子‐徳充符〕
[2] 〘語素〙 体言に付いて、それだけで他には何もないことを表わす。「裸一貫

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デジタル大辞泉 「一貫」の意味・読み・例文・類語

いっ‐かん〔‐クワン〕【一貫】

[名](スル)
一つの方針・方法・態度で、始めから終わりまでつらぬき通すこと。「態度が一貫している」「首尾一貫

㋐重量の単位。→1
㋑昔の貨幣の単位。→2
[類語](1貫く徹する終始貫徹通す押し通す押し切る徹底終始一貫首尾一貫

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普及版 字通 「一貫」の読み・字形・画数・意味

【一貫】いつかん(くわん)

全体を一つの理で貫く。〔論語里仁子曰く、參(しん)や、吾が、一以て之れを貫くと。曾子曰く、唯(ゐ)と。子、出づ。門人問うて曰く、何の謂(いひ)ぞやと。曾子曰く、夫子忠恕のみ。

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