七徳(読み)しちとく

精選版 日本国語大辞典 「七徳」の意味・読み・例文・類語

しち‐とく【七徳】

〘名〙
① (「春秋左伝‐宣公一二年」の「武有七徳、我無一焉、何以示子孫」から) 武の七つの徳。暴を禁じ、兵を治め、大を保ち、功を定め、民を安んじ、衆を和せしめ、財を豊かにすること。
※続日本紀‐宝亀一一年(780)三月辛巳「済世興化、寔佇九功。討罪威辺、亦資七徳。文武之道廃一不可」
太平記(14C後)一二「天下已に鎮(しづまっ)て、七徳(トク)余威を偃(のえふ)し、九功之大化を成す処に、猶干戈を動かし、士卒を集めらるるの条、其要何事ぞや」
② 詩の七つの徳目。〔詩式‐詩有七徳〕
優曇華(うどんげ)の七つの徳。天下の民が悦ぶ、天下安穏、国土豊饒、諸人無病、命終わるまで苦しみなし、諸水清浄、諸花に薫香あること、の七つ。
宴曲宴曲集(1296頃)二・宇礼志喜哉「七徳をかなでて、七徳の歌をば奏しけるやな」

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デジタル大辞泉 「七徳」の意味・読み・例文・類語

しち‐とく【七徳】

《「春秋左氏伝」宣公一二年から》抗争軍事に関する七つの徳。武力行使を禁じ、武器をしまい、大国を保全し、君主功業を固め、人民生活を安定させ、大衆を仲良くさせ、経済を繁栄させること。
七徳の舞」の略。

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普及版 字通 「七徳」の読み・字形・画数・意味

【七徳】しちとく

武の七徳など。

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