七衆(読み)しちしゅ

精選版 日本国語大辞典 「七衆」の意味・読み・例文・類語

しち‐しゅ【七衆】

〘名〙 仏語。仏の教えを奉ずる僧俗男女の七種の人。出家比丘(びく)比丘尼式叉摩那(しきしゃまな)(=式叉摩尼ともいう)・沙彌(しゃみ)沙彌尼在家優婆塞(うばそく)優婆夷(うばい)の七類の総称
※梵舜本沙石集(1283)四「一代化儀(けぎ)、大小異れども、七衆を分つことは、皆小乗の軌則に任(まかす)」 〔十誦律‐二四〕

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デジタル大辞泉 「七衆」の意味・読み・例文・類語

しち‐しゅ【七衆】

仏の教えを奉ずる人々を7種に分けたもの。比丘びく比丘尼式叉摩那しきしゃまな沙弥しゃみ沙弥尼優婆塞うばそく優婆夷うばいのこと。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「七衆」の意味・わかりやすい解説

七衆
しちしゅ

出家と在家を含む広義の仏教教団を構成する7種の仏弟子をいう。 (1) 満 20歳以上の出家の男 (比丘) 。 (2) 同じく女 (比丘尼) 。 (3) 夫ある婦人が出家した場合。この場合は懐胎しているかどうかをみるために一定期間の修行が課せられる。ある意味では沙弥尼一種 (式叉摩那,正学女) 。 (4) 20歳未満の出家の男 (沙弥,勤策) 。 (5) 同じく女 (沙弥尼,勤策女) 。 (6) 在家の男の信者 (優婆塞,近事) 。 (7) 同じく女 (優婆夷,近事女) 。7種の仏弟子は,それぞれの守るべき戒律からみれば,性別は問題にならないから,出家者 (1) ,(2) と,出家者たらんと修行するもの (3) ,(4) ,(5) と,在家信者 (6) ,(7) との3種に大別される。

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世界大百科事典(旧版)内の七衆の言及

【出家】より

…仏門に入って僧尼となることである。仏教徒の集団を構成する七衆のうち在家の優婆塞(うばそく)・優婆夷(うばい)を除く,比丘(びく),比丘尼,式叉摩那(しきしやまな),沙弥(しやみ),沙弥尼の五衆は出家のなかに入る。鬚髪(しゆはつ)を剃り,墨染など壊色(えしき)に染めた衣をまとう状態になるので剃髪染衣(ていはつぜんえ)といい,とくに王侯貴族の出家は落飾(らくしよく)という。…

※「七衆」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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