万世大路(読み)ばんせいたいろ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「万世大路」の意味・わかりやすい解説

万世大路
ばんせいたいろ

「ばんせいおおじ」とも読む。福島市から栗子峠を経て山形米沢市にいたる街道国道 13号線の一部。 1881年,明治天皇の東北巡幸により,万世大路と命名。交通の困難な板谷峠越えの道に代って,栗子山 (1217m) 南麓トンネルを造って (1881完成) 米沢市と結んでいた。当時は福島県側を福島市中野を通ることから中野新道,山形県側を米沢市刈安を通ることから刈安新道と称した。しかし,栗子峠付近は冬季には積雪が多量で交通不能となるため,1966年に峠の南側の葡萄沢山 (967m) 付近に栗子第一,第二トンネルが開かれ,旧トンネル付近は廃道となった。

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事典 日本の地域遺産 「万世大路」の解説

万世大路

(福島県福島市上町~山形県米沢市相生町)
選奨土木遺産指定の地域遺産。
明治の新道開設:1881(明治14)年、昭和の大改修:1937(昭和12)年竣工。山形・福島両県の物流並びに人々の交流と絆を育んだ

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域遺産」事典 日本の地域遺産について 情報

世界大百科事典(旧版)内の万世大路の言及

【板谷峠】より

…江戸時代には米沢藩の江戸参勤にも利用され,板谷には板谷御殿が設置されていた。1881年,北方にある栗子峠経由の万世大路(ばんせいおおじ)(現,国道13号線)が開通した後は衰退した。99年峠付近に奥羽本線が開通したが,板谷越えは急こう配(平均33/1000)で多雪地帯でもあるため同線最大のネックであった。…

※「万世大路」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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