三ッ峠山(読み)みつとうげやま

日本歴史地名大系 「三ッ峠山」の解説

三ッ峠山
みつとうげやま

御坂みさか山地の東側に位置し、西桂にしかつら町・河口湖かわぐちこ町および都留市にまたがる山。標高一七八六・一メートルの開運かいうん山、標高一七七〇メートルの御巣鷹おすたか山、標高一七四〇メートルの木無きなし山の三峰の総称。三ッ峠山は三嶺(甲斐国志)、また信仰の山として神鈴しんれい山や神鈴峰ともよばれた。江戸時代後期から幕末にかけて、空胎とその流れをくむ念仏行者たちによって信仰の山としての整備が行われた。空胎は武蔵国に生れ、天台宗弾誓派の本山として開山以来木食寺院であった浄発願じようほつがん(現神奈川県伊勢原市)で修行を重ね、のちに三ッ峠山に入山し同山の復興に努めた。

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改訂新版 世界大百科事典 「三ッ峠山」の意味・わかりやすい解説

三ッ峠山 (みつとうげやま)

山梨県南東部富士吉田市の北方にある山。標高1786m。御坂(みさか)山地の東端にあり,南東側は桂川の谷に急崖をもって臨み,南西山麓は河口湖に接する。地質は第三紀中新世後期のレキ岩層であるが,このレキ岩は関東山地をつくる古生代中生代地層からもたらされた礫(れき)が海底に堆積したもので,当時この付近に海岸線があったことを示している。古くから霊山として行者の参籠が多く,山頂付近には修行の跡が残る。標高1300m付近に露出する屛風岩は高度差約120m,傾斜65度内外を示し,東京から近いこともあって格好ロッククライミング場となっている。富士山眺望のよさでも知られ,ハイキングにも適している。富士急行線三つ峠駅から約3時間。河口湖に下るコースもある。
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百科事典マイペディア 「三ッ峠山」の意味・わかりやすい解説

三ッ峠山【みつとうげやま】

山梨県中東部,御坂山地東部にある山。標高1785m。御坂層からなる。神鈴山などともみえ,江戸時代には念仏行者の行場となった。山頂南側の屏風(びょうぶ)岩と呼ぶ高さ約120mの断崖は,岩登りの練習場として有名。富士箱根伊豆国立公園に属し,富士急行線三つ峠駅から登山路がある。
→関連項目河口湖[町]西桂[町]富士河口湖[町]御坂山地

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