三上氏(読み)みかみうじ

改訂新版 世界大百科事典 「三上氏」の意味・わかりやすい解説

三上氏 (みかみうじ)

中世武家近江国野洲郡三上を本拠とした。代々,近江の守護,戦国大名六角氏の有力家臣で,南北朝期には玄妙が奉行人として活躍した。室町期後半から戦国期の永正年間(1504-21)ごろまで六角氏領国は守護代伊庭(いば)氏が支えていたが,伊庭氏が2度の反乱で滅びると,六角氏は奉行人体制を確立し,領国支配は奉行人を中心に行われた。越後守頼安は明応~享禄年間(1492-1532)に多数の奉行人連署奉書にその名が見え,最有力の重臣の一人であった。その後,栖雲軒士忠は六角義賢(承禎)の治世のとき重臣であった。六角氏が織田信長に滅ぼされる直前の1567年(永禄10)に制定された《六角氏式目》には,重臣20人の連署による起請文があるが,その中に越後守恒安の名があり,三上氏が最後まで六角氏と運命をともにしたことがうかがえる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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