三光尉(読み)サンコウジョウ

デジタル大辞泉 「三光尉」の意味・読み・例文・類語

さんこう‐じょう〔サンクワウ‐〕【三光尉】

能面の一。室町後期の面打ち三光坊が作ったとされる、庶民的な老人の相をもった面。

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精選版 日本国語大辞典 「三光尉」の意味・読み・例文・類語

さんこう‐じょう サンクヮウ‥【三光尉】

〘名〙 能面の一つ。老人を表わす面で、室町時代末期の工人三光坊が作ったと伝えられるもの。「小尉(こじょう)」より品位はやや劣る。三光。

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世界大百科事典(旧版)内の三光尉の言及

【三光坊】より

…文明年中(1469‐87)の人とも,1532年(天文1)没とも伝えるが明確でない。能面の尉の一種である三光尉は彼の創作とされる。近世世襲能面作家の三大家系(越前出目家,近江井関家,大野出目家)は彼を祖とするといってよく,十作の一人にかぞえる伝書もある。…

【能面】より

…先行芸能のなかで成立した翁系の諸面を別にすると,(1)尉,(2)鬼,(3)男,(4)女,のように大別するのも一つの方法である。(1)の尉面では小尉(小牛尉),阿古父(阿瘤)(あこぶ)尉,朝倉尉,笑(わらい)尉,皺(しわ)尉などが典型的な型で,石王兵衛の創作した石王(いしおう)尉,三光坊の三光尉などがこれに加わる。(2)は口を開いた阿(あ)形と,閉じた吽(うん)形に分けることができ,前者には飛出(とびで)の,後者には癋見(べしみ)の諸面があり,年たけて威力のある悪尉の諸種もここに入れてよいであろう。…

※「三光尉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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