三十石船(読み)サンジッコクブネ

デジタル大辞泉 「三十石船」の意味・読み・例文・類語

さんじっこく‐ぶね【三十石船】

米30石相当の積載能力を有する和船。特に江戸時代淀川を通って伏見大坂間を往来した客船をいう。三十石

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精選版 日本国語大辞典 「三十石船」の意味・読み・例文・類語

さんじっこく‐ぶね【三十石船】

〘名〙
① 米三〇石相当の積載量を有する和船の総称
② 江戸時代、淀川を上下した過書船(かしょぶね)の三十石積の船。とくに乗合船として伏見・大坂八軒屋間を往復した人乗せ三十石船は、利用度が高く、一日二回上下し、船頭四人、乗客二八人を定法とした。航行は下りが棹、上りが曳船を主としたが、順風の際は帆を利用した。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三十石船」の意味・わかりやすい解説

三十石船
さんじっこくぶね

(1) 30石積みの和船の総称。 (2) 近世初期以来,京都-大坂間の淀川の水運で主役的働きをした過書奉行支配下の川船のうち,最も小型の 30石積みの川船をいう。 (3) (2) と同じ 30石積みの川船であるが,旅客専用の人乗せ三十石船の俗称。この乗合船は,京都は伏見,大坂は八軒家をそれぞれ始発・終着駅とし,昼夜を分たずに就航していたので,京坂間の旅客に愛用されて,数多い淀川水系の川船の代表的存在となっていた。船型は天当 (てんとう。伝道とも書く) と呼ばれた喫水の浅い平底のもので,長さ 15m,幅 2m,深さ 0.55mであった。船頭4人,乗客 32人を定員として,下りは流れを利用し,上りは舵取りの船頭1人を残して3人が岸から引き船をして上った。

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