三家家刀自(読み)みやけのいえとじ

朝日日本歴史人物事典 「三家家刀自」の解説

三家家刀自

生年生没年不詳
8世紀前半,地方豪族の三家一族を統括した女性。神亀3(726)年2月29日,群馬県高崎市に現存する古代上野三碑のひとつ,高田里結知識碑(金井沢碑)を建立した。石碑には,上野国群馬郡下賛郷高田里の三家子孫である家刀自本人,娘の池田君目頬刀自,孫娘の加那刀自,その子供たち物部君午足,〓刀自,乙〓刀自,および三家毛人,知麻呂らがともに知識を結び,祖先の菩提安穏を天地に請願する旨の石碑であると記されている。姓は父系だが,現実の知識結合の生活集団は女系であり,女性の家刀自が統括者だったことがわかる。<参考文献>関口裕子「日本古代家族の規定的血縁紐帯について」(『古代史論叢』中),義江明子「『刀自』考」(『史叢』42号)

(服藤早苗)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「三家家刀自」の解説

三家家刀自 みやけの-いえとじ

?-? 奈良時代の女性。
豪族の婦人として上野(こうずけ)群馬郡下賛郷高田里にすみ,神亀(じんき)3年(726)一族の9人とともに,祖先の菩提安穏を天地に誓願することを記した石碑をたてた。この石碑は金井沢碑として高崎市山名町に現存する。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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