三尾公三(読み)みおこうぞう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「三尾公三」の意味・わかりやすい解説

三尾公三
みおこうぞう
(1923―2000)

洋画家。名古屋市に生まれる。1947年(昭和22)京都市立絵画専門学校(現京都市立芸術大学)日本画科を卒業ののち、洋画に転じ、59年光風会会員となる。64年同会退会後、画風を大きく変え、油彩エアブラシを併用し、写真のような独自のスタイルを確立する。68年ジャパン・アート・フェスティバルで優秀賞(文部大臣賞)を受け、翌年サン・パウロ・ビエンナーレ展に出品、海外での個展も増える。74年第1回東京国際具象絵画ビエンナーレ展でグランプリを受賞。75年インド・トリエンナーレ展でゴールドメダルを受ける。同年より83年まで、京都市立芸術大学教授を務める。1979年第2回東郷青児美術館大賞、83年第2回美術文化振興協会賞を受賞。90年(平成2)京都美術文化賞を受賞。また、京都市文化功労者となる。91年毎日芸術大賞。97年芸術選奨文部大臣賞、翌年京都府美術文化特別功労賞を受賞。2000年勲四等旭日小綬章(きょくじつしょうじゅしょう)受章。1993~94年国立国際美術館で三尾公三展が開催された。

[小倉忠夫・柳沢秀行]

『『三尾公三画集 幻想空間』(1981・講談社)』『『三尾公三 裸婦』(1984・学習研究社)』『『三尾公三』(1991・日本経済新聞社)』『大阪府文化振興財団編・刊『三尾公三――女のいる幻想空間』(1993)』『『三尾公三の裸婦デッサン』増補新版(1995・河出書房新社)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「三尾公三」の解説

三尾公三 みお-こうぞう

1924-2000 昭和後期-平成時代の洋画家。
大正13年1月3日生まれ。光風会展,日展に一時出品。昭和49年「男と女のスペース」が東京国際具象絵画ビエンナーレ展で大賞。インド-トリエンナーレ展で金賞。エアブラシをもちいたフォトリアリズム風の作品を発表。写真週刊誌FOCUS」の表紙絵を担当。50-59年母校京都市立芸大の教授。平成9年芸術選奨。平成12年6月29日死去。76歳。愛知県出身。

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