三師七証(読み)サンシシチショウ

デジタル大辞泉 「三師七証」の意味・読み・例文・類語

さんし‐しちしょう【三師七証】

比丘びくになる際に具足戒を授ける、三師七証の10人の僧。戒を授ける直接の責任者である戒和尚、戒場白四羯磨びゃくしこんま作法を受け持つ羯磨師威儀作法を教える教授師の三師と、7人の立ち会いの僧。

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精選版 日本国語大辞典 「三師七証」の意味・読み・例文・類語

さんし‐しちしょう【三師七証】

〘名〙 仏語比丘の具足戒を授ける時の三師と七証の十人の僧。戒を授ける直接の師である戒和尚、戒場で白四羯磨(びゃくしこんま)の作法を実行する羯磨師、威儀作法を教える教授師と七人の証明師。
三代格‐二・貞観七年(865)三月二五日「夫受得表無表戒名曰受戒。於三師七証前、慇懃至誠敬礼。乞戒之下発得防非止悪之功能

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三師七証」の意味・わかりやすい解説

三師七証
さんししちしょう

出家者が具足戒を受けるために必要とする3人の師匠と7人の立会人。十師ともいう。三師とは,(1) 戒和尚 (正しく戒を授ける者) と,(2) 羯磨 (こんま) 師 (表白および羯磨の文を読む者) と,(3) 教授師 (戒を受けようとする者に威儀と作法を教える者) の3者をいう。七証には高徳の出家者がなるのが通例である。

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世界大百科事典(旧版)内の三師七証の言及

【受戒】より

…在家の戒としては五戒や八斎戒(はつさいかい)があり,また出家の戒としては比丘や比丘尼の具足戒,沙弥(しやみ)や沙弥尼の十戒,式叉摩尼(しきしやまに)の六戒(これは十戒に含まれる)などがあるが,八斎戒が1日(1昼夜),式叉摩尼の六戒が2年に限られているのに対し,他は捨戒しない限り,一生涯保つべきものである。受戒作法のうち最も複雑なのはもちろん出家の具足戒で,これには戒和上(かいわじよう)と羯磨阿闍梨(こんまあじやり)と教授阿闍梨,それに7人の証人(〈三師七証〉。辺国では証人は2人でもよい)が必要とされる。…

※「三師七証」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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