三時期法(読み)さんじきほう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三時期法」の意味・わかりやすい解説

三時期法
さんじきほう

三時代区分法ともいう。人類文化を主要利器の材料によって,石器時代青銅器時代鉄器時代の3時代に分類する区分法。 19世紀の初めデンマークの C.トムセンによって提唱された。この区分法はすでにローマ時代のルクレチウスによりなされていたが,トムセンは遺物に即してこの継起順序を案出した。これ以降の各地の調査はトムセンの説を確認し,スカンジナビア以外の地域にも有効であることを証明した。その後,石器時代は,旧石器,中石器,新石器の各時代に区分され,石器時代と青銅器時代の過渡期として金石併用時代を挿入する考え方も出てきた。しかし,青銅器時代といっても,日常の利器は依然として石器であったことが判明しているし,鋳造技術の発明をもって区分の根拠にしようとする説もあり,日本のように青銅器時代がなく鉄器時代に入ったところや,青銅器時代にとどまった地域もあり,今日では金石併用時代という語はあまり用いられていない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android