三管領(読み)さんかんれい

精選版 日本国語大辞典 「三管領」の意味・読み・例文・類語

さん‐かんれい ‥クヮンレイ【三管領】

室町幕府管領職につくことができる家格をもつ三家をいう。斯波(しば)細川畠山(はたけやま)の三家で、交替でその任に当たった。三管三職。さんかんりょう。
親元日記‐文明五年(1473)一二月一九日「管領〈畠山尾張守殿政長〉以下面々御祗候三管領〈直垂著〉」

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デジタル大辞泉 「三管領」の意味・読み・例文・類語

さん‐かんれい〔‐クワンレイ〕【三管領】

室町幕府の管領職を世襲した、斯波しば細川畠山はたけやまの三家。三管。三職。さんかんりょう。

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改訂新版 世界大百科事典 「三管領」の意味・わかりやすい解説

三管領 (さんかんれい)

室町時代の武家の家格。1358年(正平13・延文3)以降室町幕府の執事(のち管領)は細川・斯波の二大有力守護家から出していたが,1398年(応永5)6月,将軍足利義満は河内・尾張・越中守護の畠山基国を管領に抜擢し,以後はこの三家が管領を出す守護家として固定し,世人はこれを三管領と称した。しかし基国の登用は畠山氏をしのぐ有力大名であった大内氏を刺激し,これが1399年の応永の乱の一因になったといわれる。この後,斯波氏は1433年(永享5)義淳の死後家督紛争もあって衰え,畠山氏もまた1455年(康正1)持国の没後,政長と義就の一族内訌が弱体化を招き,細川氏ひとり幕閣の主導権を握る情勢となった。かくて1487年(長享1)細川政元の就任以後は,他の2家から管領を出さなくなり,管領職自体も将軍就位時のみ置かれる儀式上の臨時職と化し,細川氏が単独で幕府政治を領導する体制となっていった。
管領
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旺文社日本史事典 三訂版 「三管領」の解説

三管領
さんかんれい

室町幕府の管領に選任される,斯波 (しば) ・細川・畠山の3家のこと
管領は将軍を補佐して政務を総覧する幕府最高役職。初め執事といい高師直 (こうのもろなお) ・仁木頼章らが任ぜられたが,1362年(将軍足利義詮 (よしあきら) ),斯波義将 (よしまさ) のときには管領と改称され,さらに'98年(将軍義持)以後,足利氏一族の斯波・細川・畠山の3氏の中から任命されたので,三管領(三管)と呼び,室町幕府最高の家柄とみなされた。

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百科事典マイペディア 「三管領」の意味・わかりやすい解説

三管領【さんかんれい】

管領

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