三行半(読み)ミクダリハン

デジタル大辞泉 「三行半」の意味・読み・例文・類語

みくだり‐はん【三行半/三下り半】

《三行半に書く習慣から》江戸時代、夫から妻への離縁状の俗称。離縁する旨と、妻の再婚を許可する旨を書いたもの。転じて、離縁すること。「三行半を突きつける」
[類語]離縁状去り状離婚離別破婚離縁不縁破局破鏡別れる暇を出す暇をやる

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三行半」の意味・わかりやすい解説

三行半
みくだりはん

江戸時代において,離婚に際して,夫から妻へ交付される離縁状。3行半に書く慣習が江戸中期以降一般的となったために,この呼称が生じた。なお,離縁状の交付を必要とするのは,庶民のみであり,武士階級は届け出をもって足りるから,これは庶民法上の慣行である。「三行半」の法的効果は,その交付によって,男女双方とも再婚が可能となることである。したがって,「三行半」のなかには,離別宣言とともに,再婚許可文言が記されているのが通例である。

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百科事典マイペディア 「三行半」の意味・わかりやすい解説

三行半【みくだりはん】

離縁状

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「三行半」の解説

三行半
みくだりはん

離縁状(りえんじょう)

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世界大百科事典(旧版)内の三行半の言及

【離縁状】より

…〈勝手ニ付〉は離縁状の代表的離婚事由であり,離婚に至ったのは夫のつごうによったこと,いいかえれば妻の所為(責任)ではないことを表示している。離縁状は離別状,去状(さりじよう),暇(いとま)状,隙(ひま)状などといい,また3行半に書かれることが多かったので三行半(みくだりはん)と俗称されたのである。【高木 侃】。…

※「三行半」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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