三軒(読み)ミノキ

デジタル大辞泉 「三軒」の意味・読み・例文・類語

み‐のき【三軒】

垂木たるき三重に突き出ている軒。内側から地垂木じだるき、一の飛檐垂木ひえんだるき、二の飛檐垂木とよぶ。紫宸殿興福寺北円堂などにみられる。

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精選版 日本国語大辞典 「三軒」の意味・読み・例文・類語

さん‐げん【三軒】

[1] 〘名〙
三つの家。「むこう三軒両隣」
説経節・説経さんせう太夫(佐渡七太夫正本)(1656)上「しょせんやどかす物有ならば、となり三げん、さいくゎにおこなふべきと有により」
歌舞伎に用いる鬘(かつら)一種。〔劇場新話(1804‐09頃)〕
※雑俳・柳多留‐四二(1808)「三軒で夏の敵を春ねらい」

み‐のき【三軒】

〘名〙 垂木(たるき)が三重に差し出た軒。一列茅負(かやおい)と二列の木負(きおい)とがある。紫宸殿、興福寺北円堂、同南円堂などにある。

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世界大百科事典(旧版)内の三軒の言及

【軒】より

…木造建築では柱通りあるいはそこから持ち出して軒桁を通し,垂木(たるき)を斜めに架けて構成されており,柱や壁を風雨からまもる重要な役割を果たす。日本建築の軒は地(じ)垂木だけの一軒(ひとのき),地垂木と飛檐(ひえん)垂木からなる二軒(ふたのき)のほか,まれに飛檐垂木を二重に設けた三軒(みのき)があり,さらに垂木の打ち方によって平行である繁(しげ)垂木と疎(まばら)垂木,ほぼ放射状となる扇垂木,隅だけ放射状の隅扇垂木,それに垂木を打たない板だけの板軒などに分かれる。したがって,二軒繁垂木,一軒板軒というように表示する。…

※「三軒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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