三重(旧町名)(読み)みえ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「三重(旧町名)」の意味・わかりやすい解説

三重(旧町名)
みえ

大分県南部、大野郡にあった旧町名(三重町(まち))。現在は豊後大野市(ぶんごおおのし)の南西部にあたる地域。旧三重町は1902年(明治35)町制施行。1951年(昭和26)菅尾(すがお)、百枝(ももえだ)、新田(あらた)の3村と合併。2005年(平成17)清川(きよかわ)村、緒方(おがた)町、朝地(あさじ)町、大野町、千歳(ちとせ)村、犬飼(いぬかい)町と合併して市制施行、豊後大野市となった。旧町名は古代の郷(ごう)名にちなむ。JR豊肥(ほうひ)本線と国道326号、502号が通じる。三重町駅付近の市場(いちば)は2、7の日に市(いち)が立つ市場町で、町・郡の中心。大野川支流の三重川沿岸低地の米作、周辺火山灰台地のタバコなどの畑作が主産業だが、工場も立地している。シイタケや牛の生産も多い。内山観音(うちやまかんのん)は真名野(まなの)長者創建、百済(くだら)の蓮城(れんじょう)法師開山(554)と伝え、石造宝塔や仏像が多く、三国峠(みくにとうげ)は標高約600メートルで展望よく、ともに桜の名所。菅尾石仏は平安後期の作とみられ、国指定史跡。稲積水中鍾乳洞(いなづみすいちゅうしょうにゅうどう)は1977年オープンした。

[兼子俊一]

『『三重町誌 沿革篇』(1966・三重町)』


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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