あげ‐ち【上地】
〘名〙
※
高野山文書‐天授四年(1378)二月五日・竹岡有証田地売券「ただしこの地はあけちなるによむ(て脱カ)本けむ文をばあいそえず」
※
玉露叢(1674)一・慶長六年「景勝上げ地会津にて六十万石、蒲生藤三郎秀行に之を下さる」
じょう‐ち ジャウ‥【上地】
〘名〙
① 上等の土地。土地としてもっともよいところ。
※
発心集(1216頃か)七「
下地のいやしきさまを猒ひ、上地の妙なる事をねがへば」
あがり‐ち【上地】
〘名〙
近世、
上級の領主によって召し上げられた土地。あげち。
※文明本節用集(室町中)「上地 アガリチ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「上地」の意味・読み・例文・類語
じょう‐ち〔ジヤウ‐〕【上地】
1 よい土地。
2 (「上知」とも書く)「あげち」に同じ。
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世界大百科事典(旧版)内の上地の言及
【上知】より
…行政的な上知としては,1708年(宝永5)富士山噴火による降灰被害に見舞われた小田原藩領のうち5万6000石余を上知して幕領とし,関東郡代伊奈忠順の手で復旧普請を行ったもの,北方警備のために寛政・安政の両度,幕府が松前藩から蝦夷地を収公したもの,天保改革の際に江戸・大坂10里四方にある私領を上知して一円的な幕領を設定し,幕府支配の再編強化を策したもの([上知令])などが代表的な事例である。なお上知は上地とも書くが,これは百姓の田地を行政的な必要や処罰的な理由によって収公する場合に用いられる。【笠谷 和比古】。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」