上野英信(読み)うえのひでのぶ

百科事典マイペディア 「上野英信」の意味・わかりやすい解説

上野英信【うえのひでのぶ】

ルポルタージュ作家。山口県生れ。本名鋭之進。京都大学中退後,福岡県筑豊炭坑夫として勤めつつ,文学運動を組織。1958年谷川雁森崎和江らと《サークル村》を創刊炭鉱労働者の日常を絵ばなしなどの独自の方法で描く。閉山後も住みついて,地底の労働者たちの生身の像を描き出し,広く反響をよんだ。作品には,《せんぶりせんじが笑った》《親と子の夜》《追われゆく坑夫たち》《日本陥没期》《どきゅめんと筑豊》や,日本近代の基部をさぐる《天皇陛下万歳――爆弾三勇士序説》,また晩年の《眉屋私記》など。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「上野英信」の解説

上野英信 うえの-ひでのぶ

1923-1987 昭和時代後期の小説家
大正12年8月7日生まれ。炭鉱労働者としてはたらき,昭和33年谷川雁(がん),森崎和江らと「サークル村」を創刊。坑内労働者たちの生活をえがく記録文学などを発表。のち自宅に筑豊文庫をひらいた。昭和62年11月21日死去。64歳。山口県出身。京大中退。本名は鋭之進。著作に「追われゆく坑夫たち」「天皇陛下万歳」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android