下名(読み)かめい

精選版 日本国語大辞典 「下名」の意味・読み・例文・類語

か‐めい【下名】

[1] 〘名〙
四位以下叙位任官の時に、その人名を書いてある文書
古今著聞集(1254)三「禅正少弼国章、内侍となりて、下名をもちて東のはしもとへあゆみいでたりけるに」
② 以下に、また、文書の末に記した氏名。また、その者。
※日本国との平和条約(1952)前文連合国及び日本国はこの平和条約を締結することに決定し、これに応じて下名の全権委員を任命した」
[2] 〘代名〙 (文書の末に名を記した者の意) 自称。自己をへりくだっていう語。わたくし。
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉一五「万一御心当の御仁有之候はば何卒下名(カメイ)まで御通知被成下度懇願致候」

おり‐な【下名】

〘名〙 平安時代以降、叙位・除目のとき、四位以下の叙人・任人姓名を書いて式部(しきぶ)兵部(ひょうぶ)の二省の丞(じょう)に下付すること。また、その名簿。四位、五位、六位の字をはじめに高く書き、姓名を一字下げて書く。はじめは天皇紫宸殿に出御して行なわれたが、後には太政官庁外記庁で行なわれた。
西宮記(969頃)二「下名、上卿着議所日華門、召二省丞、給下名

した‐な【下名】

〘名〙 正式でない名前。よびな。通称

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デジタル大辞泉 「下名」の意味・読み・例文・類語

か‐めい【下名】

[名]以下に記した氏名。また、その者。
[代]一人称の人代名詞。自分をへりくだっていう語。わたくし。
「―は右証書を保管中左の条件を遵守することを誓う」〈谷崎・卍〉

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