下呂(市)(読み)げろ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「下呂(市)」の意味・わかりやすい解説

下呂(市)
げろ

岐阜県中東部にある市。2004年(平成16)益田(ました)郡萩原(はぎわら)町、小坂町(おさかちょう)、下呂町(げろちょう)、金山町(かなやまちょう)、馬瀬村(まぜむら)の5町村が合併、市制施行して成立。市域中央を飛騨(ひだ)川(益田川)が南流し、川沿いをJR高山本線、国道41号が通る。西部は馬瀬川が流れ、多目的ダムとして知られる岩屋ダム(いわやだむ)と人工湖の東仙峡金山(かなやま)湖がある。東部を長野県と接し、北東の県境には御嶽山(おんたけさん)がそびえる。国道256号、257号が通る。市域の約9割を山林が占め、河川に沿った平坦地に住宅や耕地がある。木材の産地であるほか、飛騨牛の生産で知られる。トマト、ホウレンソウなどの野菜栽培も盛ん。文化財では、萩原町上呂(じょうろ)の久津八幡宮(くづはちまんぐう)の本殿拝殿、森地区にある合掌造の民家「旧大戸家住宅(おおどけじゅうたく)」(白川村から移築)などが国の重要文化財に指定されている。久津八幡宮の夫婦(めおと)スギ、萩原町中呂(ちゅうろ)の禅昌寺(ぜんしょうじ)の大スギ、竹原のシダレグリ自生地は国の天然記念物である。市域には温泉が多く、下呂温泉が有名である。ほかに、御嶽山腹の濁河温泉(にごりごおんせん)、山麓(さんろく)の湯屋温泉(ゆやおんせん)、下島温泉(したじまおんせん)の3温泉は国民保養温泉地(小坂温泉郷)に指定されている。馬瀬西村には南飛騨馬瀬川温泉(1990年掘削)もある。市域の一部は飛騨木曽川国定公園に含まれ、飛騨川下流には中山七里(なかやましちり)などの景勝地がある。面積851.21平方キロメートル、人口3万0428(2020)。

[編集部]

『下呂町教育委員会・下呂町文化財審議会編『下呂町の文化財』(1988・下呂町教育委員会)』『藤井健夫・三原幸久編『下呂の民俗』(1988・関西外国語大学)』『下呂温泉観光協会編集委員会編『下呂温泉観光50年のあゆみ』(1997・下呂温泉観光協会)』『『下呂温泉』(2004・JTBパブリッシング)』


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