下掛(読み)しもがかり

精選版 日本国語大辞典 「下掛」の意味・読み・例文・類語

しも‐がかり【下掛】

〘名〙
① 能のシテ方五流のうち、金春、金剛と、のちに喜多を加えた三流の称。ワキ方には春藤(しゅんどう)宝生高安の三流がある。大和がかり。⇔上掛(かみがかり)
※申楽聞書(1599)「右之一冊下がかりの物とみえたり」
② (動詞「しもがかる(下掛)」の連用形の名詞形) 話などが下がかっていること。また、そのような話や事柄。性や性器にかかわる下品な話。卑猥(ひわい)な話。
咄本・鹿の巻筆(1686)序「上つ方御前にては、下がかりの指合おほく語りののしるも」

くだり‐がけ【下掛】

〘名〙
京都から地方へ下る途中
寒川入道筆記(1613頃)愚痴文盲者口状之事「筑紫へ下りかけにいとまこひにゆきたれば」
② 山など高い所から降りる途中。
※今弁慶(1891)〈江見水蔭〉七「下(クダ)りがけに東口山門を通る時」

しも‐がか・る【下掛】

〘自ラ五(四)〙 (「しも」は下半身の意。「がかる」は接尾語) 話題や話が、下半身、特に性器にかかわってくる。性や性器にかかわる話になる。みだらな内容の話になる。
※唖之旅行(1889‐91)〈末広鉄腸〉後「己の一身上の話も些(ち)と下掛(シモガカ)ったことが多かった様だ」

した‐がけ【下掛】

〘名〙 こたつぶとんの下にかける布。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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