不便(読み)フビン

デジタル大辞泉 「不便」の意味・読み・例文・類語

ふ‐びん【不便/不×憫/不×愍】

[名・形動]《「不憫」「不愍」は当て字
(不憫・不愍)かわいそうなこと。あわれむべきこと。また、そのさま。「―な子」
都合が悪いこと。また、そのさま。
「この大臣のし給ふ事なれば、―なりと見れど」〈大鏡・時平〉
かわいがること。また、そのさま。
一芸あるものをば下部までも召しおきて、―にせさせ給ひければ」〈徒然・二二六〉
[派生]ふびんがる[動ラ五]ふびんさ[名]
[類語]気の毒可哀相哀れ痛痛しい痛ましい哀れむ思いやる思うおもんぱかいとおしむほだされるいたわしい忍びない見るに忍びない見るに堪えない身につまされる

ふ‐べん【不便】

[名・形動]便利でないこと。都合の悪いこと。また、そのさま。「狭くて不便な家」「通勤不便土地
[派生]ふべんさ[名]
[類語]不自由不如意不随事欠くままならぬ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「不便」の意味・読み・例文・類語

ふ‐べん【不便】

〘名〙 (形動)
① 便利でないこと。都合の悪いこと。かってがよくないこと。また、そのさま。不便利。ふびん。
改暦の詔‐明治五年(1872)一一月九日「其便不便も固より論を俟たさるなり」 〔荀子‐議兵〕
② かわいそうなこと。かわいいと思うこと。また、そのさま。ふびん。
※黒本本節用集(室町)「不便 フヘン 悼意」
[補注]→「ふびん(不便)」の補注。

もや‐もや【不便】

〘名〙 (疑問推量の意を表わす助詞「も」「や」を重ねたものから) 頼りないこと。不確実で心もとないこと。
書紀(720)天武八年一〇月(北野本訓)「久しく老疾に苦ぶる者は、進止(ふるまひ)不便(モヤモヤ)にして、浄地亦穢る」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

普及版 字通 「不便」の読み・字形・画数・意味

【不便】ふべん

不都合。

字通「不」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android