不可説（読み）フカセツ

デジタル大辞泉

ふか‐せつ【不可説】

［名・形動］
１ 仏語。悟りの境地は言葉では説明できないこと。
２ 言葉では説明できないこと。また、そのさま。
「まねびなどすべき歌にあらず。―の上手なり」〈後鳥羽院御口伝〉
３ 規準からはずれていること。
「凡そ此の琵琶、体ていと云ひ声と云ひ―未曽有の物なり」〈禁秘抄・上〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

ふか‐せつ【不可説】

〘名〙 (形動)

① 仏語。ことばでは説き尽くせないこと。仏徳などについていう。〔四十華厳経‐四〇〕

② 転じて、一般にことばで説明できないこと。また、そのさま。

※後鳥羽院御口伝（1212‐27頃）「おぼろげの人、まねびなどすべき歌にあらず、不可説の上手なり」

③ 特に、ことばで言えないほどひどいこと。まったくけしからぬこと。また、そのさま。

※御伽草子・鴉鷺合戦物語（室町中）「言語道断之次第、不可説不可説」

④ 規準から大きくはずれていること。

※禁秘鈔（1221）上「内々小冠小童等、不可説装束、中々無沙汰之事也」

出典　精選版 日本国語大辞典