不安定な釣合い状態(読み)ふあんていなつりあいじょうたい(英語表記)unstable equilibrium state

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「不安定な釣合い状態」の意味・わかりやすい解説

不安定な釣合い状態
ふあんていなつりあいじょうたい
unstable equilibrium state

力学系における釣合いにおいて,わずかな変位によってこわれてしまうものをいう。力学系の安定論における不安定平衡点のこと。静かに冷却された水は0℃以下になっても相転移が起らず水のままであるが,わずかな攪乱を与えるとただちに氷になってしまう。この過冷却水のように,準安定状態にあり,きわめて不安定ではあるが一応は釣合っているとみなせる熱的状態を不安定な釣合い状態という。これは熱力学的には真の意味の釣合い状態ではないが,多くのおもしろい現象が見出される。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android