不断(読み)ふだん

精選版 日本国語大辞典 「不断」の意味・読み・例文・類語

ふ‐だん【不断】

〘名〙 (形動)
物事が絶えないこと。絶え間なく続くこと。また、そのさま。
※宇津保(970‐999頃)菊の宴「忠こその阿闍梨も、大願を立てて、聖天の法をふだんに行ひ」 〔漢書‐劉向伝〕
② (あて字で「普段」とも。副詞的にも用いる) いつも同じようであること。はじめからすこしも変わらないこと。いつもの状態であるさま。いつも。へいぜい。通常。日常。〔名語記(1275)〕
※浮世草子・好色一代女(1686)三「美女美景なればとて、不断(フダン)見るにはかならずあく事身に覚て」
決断力がないこと。ぐずぐずしていること。また、そのさま。〔漢書‐元帝紀賛〕
[補注]②の意味に対応するようにあてられた表記は「平常」「平日」「平生」のほか、「平素」(永井荷風「腕くらべ‐一八」)などが見られる。現在使用されている「普段」は明治以降のあて字。

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デジタル大辞泉 「不断」の意味・読み・例文・類語

ふ‐だん【不断】

[名・形動]
とだえないで続くこと。また、そのさま。「不断な(の)努力
決断力に乏しいこと。また、そのさま。「優柔不断
(「普段」とも当てて書く)日常のこと。副詞的にも用いる。平生へいぜい。いつも。「不断の心がけ」「不断から注意している」「不断テレビはあまり見ない」
普通[用法]
アクセント12はフダン3ダン。
[類語](1引き続き綿綿縷縷続続延延長長脈脈続けざま立て続けぶっ続け連綿次次相次いでじゃんじゃんどしどしきびすを接する芋蔓式引きも切らず引っ切り無し我も我も矢継ぎ早畳み掛けるしょっちゅうのべつ常に絶えず終始始終ずっと日夜夜昼明け暮れ明けても暮れても寝ても覚めても朝な夕な昼夜をおかず昼夜を分かたず夜を日に継ぐずるずるべったりのべつ幕無し/(2物静か内気弱気引っ込み思案気弱内弁慶陰弁慶臆病大人しいこわがり小心小胆怯懦きょうだ怯弱きょうじゃく意気地なし小心翼翼弱腰薄弱惰弱柔弱軟弱優柔やわやわ弱弱しい女女しい弱音を吐く・音を上げる悲鳴を上げる・気が弱い腰が弱い煮え切らない肝が小さい・肝っ玉が小さい・温順柔順従順温柔温良順良素直穏和おだやかおとなしやか控えめ優しい内向的人見知りしんねりむっつりシャイ心静か安らか安穏のどか悠長悠然悠悠悠揚浩然どっしり気長伸び伸び伸びやかのんびり屈託無い自然体のんどりしなやかしとやかなよやかなよなよしっとり物柔らか静静しずしずソフトおっとり婉然えんぜんしおらしい閑語たおやかナイーブ心優しい柔和温雅鷹揚おうよう静心しずこころ従容しょうよう悠悠閑閑おおどかつつましい奥ゆかしい泰然自若平静冷静しみじみしっぽりしんみり静まる温顔温容春風駘蕩たいとう穏便粛粛静謐せいひつ静粛/(3日頃ひごろ常日頃つねひごろ常常いつも平生へいぜい平素日常平常通常常時常住行住座臥ぎょうじゅうざが常に絶えず終始始終ずっと日夜夜昼絶え間ない明け暮れ明けても暮れても寝ても覚めても朝な夕な昼夜をおかず昼夜を分かたず夜を日に継ぐ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「不断」の読み・字形・画数・意味

【不断】ふだん

たえぬ。たゆまぬ。〔漢書、劉向伝〕夫(そ)れ疑(こぎ)の心を執るは、讒の口を來(きた)し、不斷のを持するは、群枉の門を開く。

字通「不」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の不断の言及

【暦注】より

…しかし,戦後になって出版の自由は暦注の自由となり再び盛大に行われるようになった。暦注の日取りについては節切り,月切り,不断の三つの方法がある。節切りとは節月を用いることで,例えば江戸時代最高の凶日とされた黒日は,正月は戌(いぬ)の日,2月は辰(たつ)の日というように月によって異なる十二支の日が当てられるが,この場合の正月とは正月節立春から2月節啓蟄(けいちつ)の前日までのことで暦月ではない。…

※「不断」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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