不言（読み）フゲン

デジタル大辞泉

ふ‐げん【不言】

口に出して言わないこと。無言。
[類語]無口・寡黙・無言・黙黙

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

ふ‐げん【不言】

〘名〙

① ことさら口に出して言わないこと。また、口をきかないこと。無言。不語。

※史記抄（1477）一五「しかと辞に出て、譏はえせず、不言の中に含せたぞ」 〔老子‐四三〕

② (「史記‐李将軍伝賛」の「諺曰、桃李不言、下自成_レ蹊」から) 桃や李(すもも)をいう。桃李。

※和漢朗詠（1018頃）上「夜の雨偸かに湿して 曾波の眼新たに嬌びたり 暁の風緩く吹いて 不言の口先づ咲めり〈紀長谷雄〉」

いわれ‐ざる いはれ‥【不言】

〘連体〙 (動詞「いう（言）」の未然形に、可能の助動詞「る」の未然形と打消の助動詞「ず」の連体形が付いて一語化したもの) 言わないでもよい。無用の。余計な。いわれぬ。〔文明本節用集（室町中）〕

※咄本・昨日は今日の物語（1614‐24頃）下「いはれざる御心づけにてと、返て恨みられた」

いわ‐ず いは‥【不言】

〘名〙 話すことのできない人。口のきけない人。

※御伽草子・浄瑠璃十二段草子（室町時代物語大成所収）（室町末）中「きよ水ざかにすまゐする、いはす一人まいりたり」

いわ‐ず いは‥【不言】

〘連語〙 ⇒いわ（言）ず

出典　精選版 日本国語大辞典

普及版 字通

【不言】ふげん

無言。

字通「不」の項目を見る。

出典　平凡社「普及版 字通」