不適切投稿(読み)ふてきせつとうこう

知恵蔵 「不適切投稿」の解説

不適切投稿

飲食店やコンビニのアルバイト従業員らが、店内での悪ふざけの画像をインターネット上で公開し、不適切な行為が発覚するケースが2013年にあいついだ。投稿するために不適切行為を行って撮影しており、「面白半分」や「軽いノリ」でやっているようだが、店側の謝罪に始まり、商品廃棄、従業員の解雇休業閉店、従業員への損害賠償請求などに至る重大な結果を招いている。
13年に問題になったのは、コンビニのアルバイト男性がアイスクリームの冷凍ケースに寝そべっている写真を友人がフェイスブックに投稿したケース(6月・高知県)、ラーメン店の女性従業員が冷凍庫内で食材をくわえている写真をツイッターに投稿したケース(8月・大阪府)、宅配ピザチェーンのアルバイト男性が廃棄するピザ生地を顔に張り付けた様子をツイッターに投稿したケース(8月・東京都)など。有名人の来店情報が、防犯カメラの画像やクレジットカード番号の一部が記載された伝票の写真と共にツイッターに投稿されたケースもあった(7月・神奈川県、9月・千葉県)。客による不適切行為の投稿もあり、石川県の外食チェーン店内で撮影した全裸写真が投稿されたケースでは、客が逮捕され店は閉店した(12年12月投稿、13年9月閉店、10月逮捕)。また、高校生や大学生などの若者による不適切行為の写真投稿もあり、中でも線路内への侵入写真の投稿は各地で見られた(13年7月・兵庫県、8月・大阪府、9月・愛知県、同・福岡県、同・山口県など)。
また、このような「悪ノリ投稿」は動画サイトでも起こっており、07年に牛丼チェーン店の従業員が豚丼の肉をこぼれるほど山盛りにしていく様子を動画サイトに投稿して処分されている。ツイッターやフェイスブックなど個人が気軽に情報発信できるメディアの普及で、仲間内の悪ふざけ感覚で不適切行為の様子を軽率に投稿することが急速に増加しているようだ。

(原田英美 ライター / 2013年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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