世界地溝系(読み)せかいちこうけい

百科事典マイペディア 「世界地溝系」の意味・わかりやすい解説

世界地溝系【せかいちこうけい】

世界リフト系とも。全地球的規模で地球表面に連続する割れ目大西洋を東西に2分する大西洋中央海嶺には山頂に数百km以上連続する深い裂け目があり,これと浅発地震震央帯,高地殻熱流量帯,地震波の縦波伝搬速度が毎秒7.2〜7.6kmという地殻とマントルの中間的性質をもつ層等が一致している。このような大洋中央海嶺は,必ずしも地溝を伴うとは限らないが,大西洋のみならず北はアイスランド,北極海を経てシベリアからバイカル湖の地溝帯へ続き,南は南極海,インド洋中央海嶺カールズバーグ海嶺を経て海嶺上の地溝と考えられるアデン湾,紅海から上陸してパレスティナ,ヨルダンの地溝へ続き,一方はアフリカ大地溝帯へ分かれる。インド洋南部の海嶺は東へ延びてニュージーランド,南極へ分岐しながら東太平洋海膨を経て地溝帯のカリフォルニア湾へ続く(サン・アンドレアス断層)。このように世界の大地溝帯は海底山脈を考えると地球表面の一連の裂け目とみなされる。→プレートテクトニクス

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android