両刀論法（読み）りょうとうろんぽう

精選版 日本国語大辞典

りょうとう‐ろんぽう リャウタウロンパフ【両刀論法】

〘名〙 (dilemma の訳語) 形式論理学で、大前提が仮言判断二つ、小前提と結論とが選言判断から成る仮言的三段論法のこと。小前提は大前提の前件を肯定するか、後件を否定する場合にのみ、正当な結論が出る。この論法で、小前提が大前提の前件を肯定する場合、仮言判断の後件を肯定する結論を得、これを構成的両刀論法という。小前提で仮言判断の後件を否定する場合、前件を否定する結論を得、これを破壊的両刀論法という。ジレンマ。〔論理学（1916）〕

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デジタル大辞泉

りょうとう‐ろんぽう〔リヤウタウロンパフ〕【両刀論法】

⇒ジレンマ2

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両刀論法 (りょうとうろんぽう)

ジレンマdilemmaともいう。伝統的形式論理学に登場する概念で，元来，後件を共通にする二つの仮言命題と，その二つの前件の選言とからその後件を推論する論法であるが，後件を別のものにとったり，前提の一つを後件の選言でなく各後件の否定の選言としたりして拡張した推論をもいう。比喩的には二つの選択肢しかなく，そのどちらを選んでも困った結果に導かれるとき，ジレンマに陥ったという。ジレンマは前提の仮言命題の数をふやすことによってトリレンマtrilemma以上にも拡張できる。
執筆者：中村 秀吉

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両刀論法【りょうとうろんぽう】

英語dilemma（ジレンマ）などの訳。論理学では二つの仮言命題を大前提，一つの選言命題を小前提とし，定言命題または選言命題の結論を導き出す三段論法の一種。たとえば，〈お前が真実を語れば他人が憎むだろう。嘘(うそ)をつけば神が憎むだろう。ところが真実を語るか嘘をつくかのいずれかである。ゆえにお前は他人から憎まれるか，神から憎まれるかのいずれかである〉。一般には，二つの選択肢のいずれを選んでも窮地に陥ること。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

両刀論法
りょうとうろんぽう

→ディレンマ

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両刀論法
りょうとうろんぽう

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