両生類(読み)リョウセイルイ(英語表記)Amphibia

翻訳|Amphibia

デジタル大辞泉 「両生類」の意味・読み・例文・類語

りょうせい‐るい〔リヤウセイ‐〕【両生類】

両生綱の脊椎動物の総称。魚類爬虫はちゅうとの間に位置し、幼時は水中でえら呼吸をし、変態後は肺呼吸をする。心臓は二心房一心室。体表にうろこ・毛・羽がなく、変温動物で、卵生または卵胎生。海および極地を除き世界に広く分布し、無尾類カエル有尾類イモリサンショウウオ無足類アシナシイモリなどのほか、イクチオステガなどの化石種がある。
[類語]脊椎動物無顎類魚類爬虫類鳥類哺乳類

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改訂新版 世界大百科事典 「両生類」の意味・わかりやすい解説

両生類 (りょうせいるい)
Amphibia

脊椎動物門両生綱Amphibiaに含まれる,魚類と爬虫類との中間に位置する変温動物の総称。現生の両生類はアシナシイモリ(無足)類,サンショウウオ(有尾)類,サイレン類およびカエル(無尾)類の4目約4555種類が知られ,南極および海洋を除く世界各地に広く分布し,あらゆる場所に適応放散してすみつき,一部は地中や洞穴,乾燥した砂漠にもいる。大半が体長5~20cmほどの小型で,最大はオオサンショウウオ属の約1.6m,最小はキューバチビガエル属などの約1cm。

体型は4目それぞれが著しく異なる。無足類は細長いミミズ型で四肢を欠き,尾がきわめて短い。有尾類はトカゲ型で成体にも発達した尾があり,前・後肢ともほぼ同大。サイレン類は角質のくちばしをもち,後肢を欠く。無尾類は胴が太短くて尾がなく,後肢が前肢よりもずっと発達している。体表にはうろこ,羽毛,毛を生ぜず皮膚は常に裸出し滑らかで,粘液腺と顆粒(かりゆう)腺とが一面に分布し,湿っている。しかし無足類の一部には,皮膚内に埋もれた真皮性のうろこをもつものがある。粘液腺は皮膚面に分泌液の層をつくり,地上では皮膚呼吸を円滑にし,水中では水が体内に侵入するのを防ぐ。顆粒腺は有毒な液を分泌して身を守るが,ヤドクガエル類など一部のものはとくに発達し,イモリやヒキガエルでは眼の後方に多数が集まって,隆起した耳腺となる。

 色彩斑紋を変化させる色素細胞は真皮の上層または表皮と真皮の間に含まれ,アマガエルなどでとくに発達している。アマガエルの色素細胞は上から順に,光のフィルター役の黄色色素胞,多数の細長い反射小板で満たされた銀色のグアニン細胞,そしてメラニン顆粒を含むメラノフォアの3層からなる。体色変化は,メラニンの拡散凝集によってフィルターを通過した光の反射量が変化することで起こり,変色は,背景の色調,明暗のほか温度や繁殖期の生理的な影響をも受ける。

 祖先の化石種ががんじょうな骨格をもっていたのに対し,現生種では骨格を構成する骨や軟骨の数が著しく減少している。頭骨は2個の後頭顆(こうとうか)で頸椎(けいつい)に関節し,頭部はわずかしか回転できない。脊椎骨はミミズ型の無足類では200個を超えるが,無尾類では6~9個しかない。無尾類の骨格構造はとくに発達した後肢を支えるために特殊化し,扁平な仙椎(せんつい)(最後部脊椎骨),長くのびた1対の腸骨および1本にまとまった尾骨とでがっしりした腰帯(ようたい)を構成している。肩帯は構造によって担弓(たんきゆう)型(ヒキガエルなど)と堅胸(けんきよう)型(アカガエルなど)とがあり,分類上の大きな標徴となっている。

 四肢が発達し,原則として指が前肢に4本,後肢に5本あるが,有尾類の一部では四肢や指が退化しており,無足類では四肢および腰帯をまったく欠く。頭骨は少数の骨からなり,とくにカエルでは頭蓋を構成する骨の数が脊椎動物中もっとも少なく,あごの構造も弱い。

 カエルの一部を除き円錐形の小さい歯をもち,口蓋部にも生ずるが,大半のカエルでは下あごには歯を欠く。コモリガエルなどの無舌類は舌を欠くが他はさまざまな形状の舌が発達し,粘性に富んで餌をとらえるのに役だつ。

両生類は原則として幼生期を水中で過ごし,変態後は陸に移るが生活はまったく水から離れたものではなく,またほとんど水中で過ごすものも少なくない。成体では肺を生じて空気呼吸を行い,皮膚および口腔や咽頭で皮膚呼吸も行うが,一部の有尾類は肺を欠きまた一生外鰓(がいさい)を失わないものもある。心臓は2心房1心室であるが,体循環と肺循環の血液はあまり混じらない。食道は短く,胃は無尾類ではよく発達するが,有尾類ではほとんど分化しないものもある。幼生は前腎(ぜんじん)で排出作用を行うが,変態後は中腎で行い,輸尿管,消化管末端および生殖輸管はともに総排出腔に開く。

 感覚器官は魚類に似た要素をもち,各幼生期および変態後も水中生活を営むツメガエル類やアンヒューマ類などには,水の振動を感知する側線器官系がある。眼は大きくて突出し視覚が発達する。とくに無尾類の視覚は優れ,筋肉の働きによってレンズの位置を前後に動かせ,3層の神経細胞からなる網膜に,小さな昆虫の飛翔(ひしよう)をも敏感にキャッチし,餌をとらえる。無足類と洞穴性の有尾類では眼が退化し,無足類は代りに特有の触手をもっている。嗅覚(きゆうかく)は有尾類で発達し,聴覚はとくに無尾類で発達してほとんどが大きな鼓膜をもつ。

 植物質を食べるサイレン類以外は肉食性で,昆虫,クモ,ミミズなどの生きた小さな無脊椎動物を餌とするが,大型のカエルは小ネズミ,爬虫類,両生類をもとらえ,大型有尾類は甲殻類や魚を捕食する。

 両生類が完全に水から離れて生活できない要因の一つに,卵が卵殻に包まれず乾燥に弱い点があげられる。産卵は原則として水中で行われ,寒天質に包まれた卵が1個ずつか,あるいはひも状,房状,まんじゅう形など形状や大きさの異なる卵塊として,産みつけられる。産卵場所は水田,池沼の止水域や渓流で,水中の植物,枯枝,岩にくっつけることも多いが,一部のカエルは大粒の卵や泡状の卵塊を地上や樹上に産みつける。地中の穴で産卵する無足類には,親が卵塊に体を巻きつけて守るものがある。無尾類,有尾類,無足類のうち少数のものは卵胎生。孵化(ふか)した幼生には尾が発達し,外鰓を生じて原則として水中生活を送る。口には角質のくちばしと歯列があり,植物質や動物質を削りとって食べるが,やがてえらは体内に隠れ四肢を生じ変態して陸に上がる。変態は,えらを消失して肺を生じ口腔が形成されるばかりでなく,骨格,内臓にも大きな変化が起きる。無尾類,無足類では変態により尾は体内に吸収されるが,有尾類では発達した尾が残る。また一部では肺を欠いたり外鰓を失わないものもある。無足類の雄には仮性陰茎があって体内受精を行うが,他はすべて体外受精で,繁殖期には雌雄が水中に集まる。

 婚姻色が現れるイモリ類は,水中での華やかなディスプレーの後,雄が放出する精包を雌が総排出腔で拾い上げて受精する。ほとんどのカエルの雄は両頰やのどに鳴囊(めいのう)(声囊)をもち,繁殖期には種固有の鳴声で雌を誘い,抱接する。卵は放置され自然孵化するが,一部のカエルは卵のかたわらでこれを守ったり,また卵塊や幼生を体につけて保護する。そしてコモリガエル類やフクロアマガエル類などでは,雌が背中の育児袋に卵を収容し幼生が変態を終えるまで育てる。

 両生類は一般に性質が温和で,昼間は物陰に隠れ夜間に行動するものが多い。自衛手段として後肢が発達した無尾類は跳躍による逃げ足が速い。また巧みな保護色や擬態をもつものも多い。かなり強い毒腺をもつヤドクガエル類,ユビナガヤドクガエル類などのカエルやまたイモリ類には,鮮やかな標識色(警告色)が見られ,特有の自衛ポーズで色彩を見せびらかせるものもある。

 寒冷地では冬眠を行い,また乾季に繭をつくって地中に潜るものもいる。

現生種のうち無尾類のみ異なった系統に属し,他の3目は近縁と考えられることが多い。幼生,成体の体制,骨格などの相違から3群(上目)に大別される。

 (1)無足(むそく)群 アシナシイモリ(無足)目Gymnophionaの6科が含まれ,約163種がアジア,アフリカ,アメリカの熱帯地方に分布する。体型はミミズに似て多数の環状溝があり,尾がきわめて短く四肢を欠く。眼は退化し,眼と鼻孔の間に伸縮自在の触手があり,また雄には仮性陰茎があって交尾を行う。耕地の地中や沼沢地の泥中にすむが,南アメリカ産ミズアシナシイモリ類Typhlonectidaeは水中にすんで巧みに泳ぐ。

 (2)有尾(ゆうび)群 サンショウウオ(有尾)目Urodelaの9科約389種とサイレン目Meantesの1科3種が含まれ,ユーラシア大陸,北アメリカの温帯地方に分布する。サンショウウオ目にはサンショウウオ類3科,イモリ類1科,大型のオオサンショウウオ科のほか,一生外鰓を失わないホライモリ科と鰓孔(さいこう)を残すアンヒューマ科が含まれ,外鰓をもち後肢を欠くサイレン科はサイレン亜目Sirenoideaとして,サンショウウオ目に含まれることもある。いずれも変態が比較的不完全で,成体にも尾があり前・後肢にあまり構造的な違いがない。

 (3)無尾(むび)群 カエル(無尾)目Anuraの25科約4000種が含まれ,極地を除く世界に広く分布し,両生類ではもっとも栄えている。変態が完全で成体には尾がなく,後肢が発達する。形態的にも生態的にもバラエティに富み,とくに卵や幼生の保護や鳴声など繁殖行動に興味深いものが見られる。

両生類は多くの種類がペットとして飼育される。とくにカエルは一般にも親しまれ,洋の東西を問わず古くから童話や民話に登場し,日本では春の季語とされ,風物詩の一つとして唱歌となり詩歌に詠みこまれている。大型のカエルが世界各地で食用に供されるほか,両生類は生物学,医学の実験に欠かせない試料であり,近年ではその内分泌物から医薬品が製造され,また人の妊娠診断にも用いられる。ヒキガエルの耳腺の分泌液や一部のサンショウウオは民間薬にされる。
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両生類は総鰭(そうき)類の魚類の一群をなす扇鰭類のエウステノプテロンに起源すると考えられている。対鰭の内部の骨の配列が陸生動物の四肢骨の出発点になったとみられ,頭骨や椎骨の構造は初期両生類に似ている。最古の両生類はグリーンランド東部のデボン紀末の地層から出たイクチオステガである。石炭紀初期には外鼻孔は頭骨の背面に位置し,呼吸器官の内鼻孔は口蓋前部に移り,鼻道でつながる。椎骨は骨椎化が進み,関節をもって体を支持する構造が進歩した。このころの両生類はワニのように堅固な頭骨を備え,顎骨(がつこつ)や口蓋の骨に鋭い歯が生えていた。それゆえ堅頭類ともいわれた。かれらの歯の横断面をみると,エナメル質が複雑な迷路状構造を示すことから迷歯類(亜綱)と呼ばれるが,進化の頂点にくるものとして二畳紀のエリオプスがあげられており,大型になるものが多い。

 両生類は椎骨の構造などを中心に,1群はイクチオステガ類→ラキトム類→全椎類とイクチオステガ類→炭竜類の系列があり,イクチオステガからラキトム類は陸上生活者として適応したが,全椎類になると二次的に水中生活に戻るコースを歩み,炭竜類(目)の中から爬虫類へ進化するセイモウリア型のものが現れる。別の1群は空椎類(亜綱)と呼ばれ,迷歯類の占めていない環境に適応したものがある。比較的に小型で,古生代後期には体が細長くなり,四肢をもたない欠脚類(目)が現れる。またアメリカのテキサス州の二畳紀から出たディプロカウルスDiplocaulusのように胴や頭が扁平になるものも見られる。古生代末から中生代初期にかけて古い型の両生類が栄えたが,三畳紀ころから現在のサンショウウオ(有尾類)とカエル(無尾類)の仲間の祖先が現れ,徐々に発展する。無尾類と有尾類の違いより,古生代型の両生類との違いのほうがはるかに大きい。そのために,近代型の両生類である無尾類と有尾類は平滑両生類(亜綱)として,区別されている。かれらは,ほとんど熱帯から温帯の河川や沼沢地の生活者である。他の脊椎動物に比べて両生類の足跡化石がたくさん発見されているが,これはかれらが水辺付近での生活者であったことを裏づけている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「両生類」の意味・わかりやすい解説

両生類
りょうせいるい
amphibian

脊椎(せきつい)動物門両生綱に属する動物。カエル、サンショウウオ(イモリを含む)、アシナシイモリ類が含まれる。

系統・形態

脊椎動物で最初に陸上生活を始め、爬虫(はちゅう)類さらに鳥類、哺乳(ほにゅう)類へと発展する基礎となった動物群として、進化史で重要な位置を占める。両生類は硬骨魚類の総鰭類(そうきるい)に由来し、最古の両生類イクチオステガIchthyostegaは古生代デボン紀の地層に発見されている。総鰭類は筋肉質のじょうぶな対鰭をもち、これが両生類の四肢となった。また、うきぶくろが肺となり、えらにかわって陸上で空気呼吸を行うようになった。石炭紀には多様なグループを生じ、なかには全長3メートルを超す大形種もいたが、中生代になると爬虫類が発展して両生類は衰退した。現生の両生類は3目約3400種を含み、脊椎動物で最小の綱である。

 現生の両生類は比較的小形で、体表は分泌腺(せん)に富む皮膚に覆われ、鱗(うろこ)や毛はない。頭は平たく、魚類より少ない骨で構成される。椎骨とは2個の後頭突起で接合する。脳に新皮質はなく、大脳は小さい。脳神経は10対で爬虫類の12対より少ない。耳骨は1個。二次口蓋(こうがい)はない。胴部に四肢があるが、有尾類の一部では退化し、無足類では欠如している。横隔膜はない。心臓は2心房1心室で、体循環と肺循環の分離は不完全。赤血球は楕円(だえん)形で有核である。肺の構造は簡単で、肺を欠く種もある。変温性。

[倉本 満]

分布・生態

南極大陸と北極圏の大部分を除く全世界に分布する。移入種を除き、洋島にはいない。体表が水を透過しやすいため、主として湿った場所で生活し、地上性、地中性、樹上性、水中性など、さまざまな生活様式がある。海水にすむ種はいない。原則として小形動物を食べる。卵は小形でゼリー層に包まれ、卵殻はない。胚膜(はいまく)も形成されない。一般に水中に産卵し、孵化(ふか)した胚はえらを備えた幼生となって水中生活を送り、変態して成体となる。幼生の形態は多くの点で成体と異なる。この典型的な生活史のほか、湿った地上や樹上に産卵するものがあり、体内受精をする種では胚が母体内で発育して幼生または変態を終了した幼体となって産まれるものもある。

[倉本 満]

『中村健児・上野俊一著『原色日本両生爬虫類図鑑』(1963・保育社)』『フレーザー著、山極隆訳『両生類の生活』(1976・共立出版)』『千石正一編『原色両生・爬虫類』(1979・家の光協会)』

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百科事典マイペディア 「両生類」の意味・わかりやすい解説

両生類【りょうせいるい】

陸上生活に適応した最初の脊椎動物群。魚類と爬虫(はちゅう)類の中間に位置する。デボン紀末期に出現し,古生代の後半に繁栄した。初期の両生類は魚類に類似し,硬骨魚類の総鰭(そうき)類から生じたと考えられる。爬虫類は古生代末期に堅頭類から進化する。化石種では堅頭類のイクチオステガ,マストドンサウルス,セイモウリアが代表的。現生は無足目(アシナシイモリ),有尾目(イモリ,サンショウウオ類),無尾目(カエル類)の3目に分類される。最大はオオサンショウウオの1.2mで,大半は5〜20cmほどの小型。体表には鱗がなく皮膚は裸出して,水を透過させる。したがって体内の水分の消失を防ぐため,水辺や湿地から離れることができない。成体では肺呼吸を行うが,皮膚呼吸もでき,なかには肺を欠く種類もある。卵は原則として水中に産みつけられ,幼生は水中で生活して変態を終わるまで鰓(えら)呼吸を行う。約3000種が知られ,南極を除く世界各地に広く分布するが,熱帯地方にもっとも多い。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「両生類」の意味・わかりやすい解説

両生類
りょうせいるい
Amphibia

脊椎動物門両生綱に属する動物の総称。体表は鱗,毛などでおおわれず,乾燥を防ぐため一般に多くの粘液腺をもつ。幼生時代は水生で鰓呼吸をするが,成熟すると変態し,例外的なもの以外は四肢を生じ,陸上生活者として肺呼吸をするようになる。しかし,一般に水辺を離れての生活は困難である。心臓は2心房1心室。卵は殻をもたず,発生の途中で羊膜や尿膜を生じない。すべて淡水産で,海生のものはない。デボン紀の終り頃に出現し,石炭紀,ペルム紀にかけて繁栄したと考えられている。現生のものはカエル類サンショウウオ類アシナシイモリ類の3目 (もく) に分けられ,2800種ほどが知られている。

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世界大百科事典(旧版)内の両生類の言及

【脊椎動物】より

…この類で最古のものはシルル紀後期に現れ二畳紀まで栄えた板皮類(綱)Placodermiで,これから最初に分かれた(オルドビス紀後期)のが軟骨魚類Chondrichthyesと推定されているが,これの化石は,やはり板皮綱から分かれデボン紀前期に現れた硬骨魚類Osteichthyesよりも後のデボン紀中期にならないと姿を見せない。硬骨を獲得した硬骨魚綱の中の総鰭類(亜綱)Crossopterygiiから分かれ,四肢と肺を獲得した両生類Amphibiaはデボン紀から石炭紀への移行期,両生綱から分かれ羊膜を獲得した爬虫類Reptiliaは石炭紀後期,爬虫類の祖竜亜綱Archosauriaから分かれ羽毛を獲得した鳥類Avesはジュラ紀前期,同じく爬虫綱の単弓亜綱Synapsidaから分かれ毛と乳腺および3個の中耳小骨を獲得した哺乳類Mammaliaは三畳紀後期に現れている。無顎綱,板皮綱,軟骨魚綱,および硬骨魚綱を合わせて魚類Pisces,残りのものを四足動物Tetrapodaの2上綱とすることがある。…

【脊椎動物】より

…口腔には歯,舌,唾液腺が,胃には胃腺が,小腸には絨毛(じゆうもう)と漿液腺(しようえきせん)があり,その前部(十二指腸)には胆汁を出す肝臓,膵液(すいえき)を出す膵臓が細い管で開口する。排出器官は腎管から発達した前腎(成体では円口類と原始的な硬骨魚類),中腎(魚類と両生類),または後腎(爬虫類,鳥類,哺乳類)である。中枢神経系は脳と脊髄に分かれ,脳は大脳(端脳),間脳,中脳,小脳および橋,延髄からなる。…

【聴覚】より

…コイやナマズのようなコイ類(骨鰾(こつひよう)類)では中耳の代りにウェーバー器官があり,音はうきぶくろからウェーバー小骨連鎖を経て内耳に伝わる。両生類や爬虫類には中耳がみられるが,外耳はなく,鼓膜が露出している。外耳は哺乳類で発達するが,鳥類にも一部みられる。…

※「両生類」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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