普及版 字通 「並(漢字)」の読み・字形・画数・意味
並
常用漢字 8画
(旧字)竝
10画
[字訓] ならぶ・ならびに・ともに・みな
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 会意
旧字は竝に作り、立をならべた形。立は位。その位置すべきところに並んで立つことをいう。〔説文〕十下に「(なら)ぶなり。二立に從ふ」という。は二人相並ぶ側身形。竝は相並ぶ正面形。从(從)・比は前後相従う形。みな二人相従う字である。
[訓義]
1. ならぶ、ならび立つ、ならびに。
2. ともに、ともなう、たぐえる、よる、そう。
3. みな、あつまる、つらなる。
4. 決して、一切。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕竝 ナラビ・シカシナガラ・ヨル・ソフ・アラハル 〔字鏡集〕竝 ミナ・ソフ・ナラブ・ナラビヰル
[部首]
〔説文〕十下に(たい)(替)をこの部に属し、「廢するなり。一下る。竝に從ひ、白(はく)聲」とし、また一体として(しん)の字形をあげる。字の竝は原告と被告、曰(えつ)は獄訟の際の盟誓、その敗者は廃せられるので廃替(はいたい)の意となる。(しん)は曰上に二(しん)をおき、呪祝を加える形で、替とは異なる字である。また普(ふ)を〔説文〕は日部七上に属し、会意とするが、いずれも曰に従う古い儀礼を示す字であろう。
[声系]
〔説文〕に竝声として髟(ひよう)部の字一字を収める。〔段注〕に普を竝声の字とするが、確かでない。
[語系]
竝byeng、byenは声近く、人に竝といい、馬にという。また・(併)piengも声義近く、竝は相並ぶもの、・は前後相従うことをいう。phieng声の字も、この系統の語であろう。
[熟語]
並育▶・並縁▶・並駕▶・並軌▶・並挙▶・並居▶・並駆▶・並▶・並肩▶・並興▶・並耕▶・並行▶・並載▶・並枝▶・並時▶・並悉▶・並日▶・並処▶・並称▶・並牀▶・並進▶・並世▶・並湊▶・並▶・並▶・並馳▶・並騁▶・並轡▶・並無▶・並立▶・並列▶
[下接語]
肩並・比並・隣並
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報