精選版 日本国語大辞典 「中上」の意味・読み・例文・類語 なか‐のぼり【中上】 〘名〙① 平安時代に、国守が任期中に一度、都に上ること。※今昔(1120頃か)二六「彼(かの)陸奥の守(かみ)の中上と云(いふ)事して」② 江戸時代、京坂地方から江戸へ修業・奉公のため下っているものが、勤めの期間の中途で一時帰郷すること。※洒落本・京伝予誌(1790)豊後「はや中のぼりもすみ、よほどたちあがって番頭より三ばんぐらゐゆへになり」③ 初上りに対して、二度めの上京。※浮世草子・色里三所世帯(1688)下「長老をのぞむ中のぼりの出家も只は道中をとをらじ」 ちゅう‐じょう ‥ジャウ【中上】 〘名〙① 品等や段階の比較で、中程度のものの中でも良いほうのもの。中の上。※令義解(718)考課「凡秀才、試方略二條、文理倶高者、為二上々一。〈略〉文理粗通、為二中上一」 〔書経‐禹貢〕② (同音の「沖」の意に用いたものか) 沖の海上。※海道記(1223頃)萱津より矢矧「酉天は溟海、漫々として雲水蒼々たり。中上には一葉の舟かすかに飛て白日の空にのぼる」 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報