中川宗瑞(読み)なかがわ・そうずい

朝日日本歴史人物事典 「中川宗瑞」の解説

中川宗瑞

没年:延享1.7.30(1744.9.6)
生年:生年不詳
江戸中期の俳人。通称は三郎兵衛。初号は風葉。別号に白兎園がある。江戸の人で,両替為替を業とした。俳諧においては,初め榎本其角,水間沾徳らに親炙したが,『五色墨』に参加後,独特の活動を展開。ことに『五色墨』連衆のひとりである大場咫尺と『柿むしろ』(1734)で宗匠立机を果たしてより,かつての師,貴志沾洲と感情的齟齬が生じる。以後,甲州俳人などと交流を深め,結局は江戸の主要俳人から疎外されたかたちで,佐久間柳居門弟のような活動を示す。享保期(1716~36)の俳壇変動に,翻弄された人物。

(楠元六男)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「中川宗瑞」の解説

中川宗瑞 なかがわ-そうずい

1685-1744 江戸時代中期の俳人。
貞享(じょうきょう)2年生まれ。幕府の為替両替用達(ようたし)商。俳諧(はいかい)を榎本其角(えのもと-きかく)にまなび,杉山杉風(さんぷう)の門人となる。平明な句をこころざし享保(きょうほう)16年佐久間柳居らと「五色墨(ごしきずみ)」を刊行,俳壇に影響をあたえた。延享元年7月30日死去。60歳。江戸出身。通称は三郎兵衛。別号に風葉,白兎(はくと)園。編著に「柿むしろ」「甲山行」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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