インド哲学者。大正元年11月28日島根県松江市に生まれる。東京帝国大学文学部印度哲学梵(ぼん)文学科、同大学院卒業。1943年(昭和18)異例の若さで東大文学部助教授、文学博士となる。その後、同教授、同名誉教授を歴任。『初期ヴェーダーンタ哲学史』(全4巻、1950~1956)を完成、1957年(昭和32)学士院恩賜賞を受ける。1968年に東方研究会を創立、1973年定年退官と同時に東方学院を開き、同院長となる。著書はインド哲学、仏教学、比較思想、世界思想史ほか思想全般にわたり、学問的精確を究めつつ未知の分野を開拓し、名声は全世界に及ぶ。1977年文化勲章、1984年勲一等瑞宝(ずいほう)章を受く。日本学士院会員。自著『学問の開拓』(1985・佼成(こうせい)出版社)は半自叙伝的にその学問や人柄を語り、82ページにわたる著作論文目録を付す。
[三枝充悳 2016年9月16日]
『『決定版中村元選集』32巻・別巻8(1988~1999・春秋社)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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