中村富十郎(5世)(読み)なかむらとみじゅうろう[ごせい]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「中村富十郎(5世)」の意味・わかりやすい解説

中村富十郎(5世)
なかむらとみじゅうろう[ごせい]

[生]1929.6.4. 東京,東京
[没]2011.1.3. 東京,中央
歌舞伎俳優。本名渡辺一。屋号天王寺屋。4世中村富十郎長男,母は日本舞踊家の吾妻徳穂。1943年 4世坂東鶴之助を名のって初舞台を踏み,1964年 6世市村竹之丞を襲名,1972年 5世中村富十郎を襲名した。鶴之助時代には,関西実験劇場(武智歌舞伎。→武智鉄二)で 2世中村扇雀(→坂田藤十郎〈4世〉)とともに雀鶴コンビとして活躍した。古典,新作,立役,女方ともにこなした。特に舞踊での評価が高かった。1987年日本芸術院賞を受賞。1994年重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定され,1996年日本芸術院会員に就任。2003年旭日中綬章受章。2008年文化功労者に選ばれた。

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