朝日日本歴史人物事典 「中村歌右衛門(4代)」の解説
中村歌右衛門(4代)
生年:寛政10(1798)
幕末期の歌舞伎役者。本名平野吉太郎。俳名芝賞,翫雀。屋号成駒屋。初め藤間亀三郎。のち中村藤太郎,鶴助。江戸下りした3代目歌右衛門に従って上坂。中芝居で修業して力量をあらわし,文政8(1825)年2代目芝翫となる。江戸で4代目坂東三津五郎と人気を争う。天保6(1835)年大坂で歌右衛門を襲名。江戸上方を通じ随一の役者となる。体格,容貌に恵まれ,世話物より時代物を得意とし,「忠臣蔵」の師直,「一の谷」の熊谷などが当たり役。所作事も得意だった。5代目はその養子。平成期の6代目は5代目の次男。
(松平進)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報