中村覚(読み)なかむら・さとる

朝日日本歴史人物事典 「中村覚」の解説

中村覚

没年:大正14.1.29(1925)
生年:安政1.2.20(1854.3.18)
明治大正期の陸軍軍人。彦根藩士中村千太夫の次男。5男小林謙五は海軍中将。明治5(1872)年教導団に入り,8年陸軍少尉。10年陸軍中尉に進み,名古屋鎮台から西南戦争出征,武勲をたてた。日清戦争(1894~95)中は大本営侍従武官。戦後東部都督部参謀長,台湾総督府陸軍幕僚参謀長を経て,日露戦争(1904~05)が勃発すると歩兵第2旅団長として出征,旅順攻囲戦で戦う。松樹山攻撃に際し白襷隊の指揮官を務め,抜刀してロシア軍に突入し負傷,猛勇振りが両軍に知られる。のち侍従武官長,関東都督などを歴任,大正4(1915)年大将。

(田中宏巳)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「中村覚」の解説

中村覚 なかむら-さとる

1854-1925 明治-大正時代の軍人。
嘉永(かえい)7年2月20日生まれ。明治5年陸軍教導団にはいる。日清(にっしん)戦争では大本営侍従武官。日露戦争では歩兵第二旅団長として旅順攻撃にくわわった。第十五師団長,侍従武官長などを歴任。陸軍大将。大正14年1月29日死去。72歳。近江(おうみ)(滋賀県)出身

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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